この尺八は何箇所か奥まで割れていて、音も出ませんでした。地口には蝕まれている箇所もあり、歌口はかけらだらけでダメでした。中途半端な修理も大分前に行われていたらしく、ボロボロとなっている下地がヒビ割れに見られ、こすって傷も竹の表面につけられていました。
ボロっている下地を出して、こすった傷をよりなめらかにするためにペーパーを軽くかけました。6箇所で割れを縛って、上にアンティークな感じで籐巻きを施しました。蝕まれた部分に軽くペーパーをかけて、地口から最低限で切り取りました。古い歌口を取り、新しい歌口を入れたのち、傷のついた竹の表面をより綺麗に見せると同時に守るため、硬い日本製漆で全体に吹き漆を施しました。内側の汚くなった朱色漆も塗り直しました。
これは修理の一例です。歌口の入れ直し、割れの縛り・籐巻き(基本的に5センチの割れた部分ごとに1箇所で縛るのです)、表面のクリーニング等は対応します。